ドイツで現地採用 – 面接で確認しないと地獄を見る5つのポイント

日本で何もかも上手くいかず、海さえ超えれば何かが変わるかも、と意を決してヨーロッパ、ないしはドイツ移住を実現させる。とても夢がありますよね。ですが、億万長者でもない限り移住先で必ず仕事を見つけなければなりません。

しかし、通常日本人のドイツでの受け皿は、ドイツの会社ではなく、在独日系企業。つまり、ドイツに来ても現地採用として日本の会社で働くことはある程度覚悟しておいた方がいいということになります。

とは言え、絶望するのはまだ早いです。以前、「日系企業とドイツの企業、どっちに就職するのがおすすめか?」で紹介した通り、日系企業と言えどドイツの法律を守らざるを得ませんし、もちろん短所だけでなく長所もあります。

では、日系企業で現地採用も悪くないのでしょうか?答えは否。中にはドイツのことを何も知らない頭のおかしい駐在員から卑劣な仕打ちを受けるなどのケースも散見されます。

関連記事:ドイツで見かける5つのウザい日本人駐在員タイプ

そこで今回の記事では、自身の体験談および親しい友人から聞いた話の範囲で、現地採用として地獄を見ないために面接で絶対に確認しておくべきポイントを解説します。

ドイツで現地採用 – 面接で確認しないと地獄を見る5つのポイント

面接で確認しないと地獄を見るポイントを今回は5つ紹介します。

  1. 本社がブラックかどうか
  2. 恋愛関係を深掘りする
  3. 駐在員が夜中まで働いてる
  4. 自分の会社の話しかしない
  5. 駐在員がドイツの文化を何も知らない

本社がブラックかどうか

よく犯しがちな間違いが、本社とドイツ支店を完全に切り離して考えてしまうこと。「本社の労働環境が劣悪でも、支店はドイツの法律に守られているし関係ないだろう」と・・・。

これには実は落とし穴があります。例えば、本社が夜中まで働いていれば、ドイツの午前中は本社とのミーティングで潰れる可能性があること。これは正直まだ許容範囲かもしれませんが、派生する問題として、駐在員の本音がブラックかもしれないリスクがあります。

駐在員の表と裏

かつて私は、会社一筋、転職経験ゼロのサラリーマンおじさんを数多も見てきました。15年、20年とブラックな会社(本社)に勤めていれば、身体の芯までブラックに染まっている可能性は非常に高いです。タバコを吸い続けた肺のように真っ黒でしょう。

となると、本心では「ドイツの現地採用は使えない」「定時に帰りやがる」「会社の経営は他人事だからダメ」「単純にレベルが低い」と思っていることがよくあります。

私は何を思われても気にしない、と割り切れるのであれば問題ありませんが、やはり普段仲良くしているのに裏で悪口を言われていたり、一丸となって仕事をしたいのに、実は亀裂が走っていたなどは、ショッキングなはずです。

ですから面接では、本社の社風まで質問して見極めるのが得策というわけです。

恋愛関係を深掘りする

日本では面接時に家族構成やパートナーの有無を聞かれたり、家族との関係性/仲を聞かれることがよくあります。と言うか、ほぼ必須の質問事項でしょう。理由は、家族と問題を抱える人は、プライベートが殺伐としていて、メンタルに支障をきたしやすい、そして会社を辞めやすい、と考えられるからです。

ですが、ドイツではそこまでプライベートを深掘りすることはありません。給与設定や税率に関わってくるため、独身かそうでないか、子供の有無などは確認されますが、そもそもその人に彼氏・彼女がいようがいまいが、仕事さえ完璧にこなしてくれればいい、という思考回路です。

ここから何が言えるかというと、もし面接中にプライベートを必要以上に深掘りされたら、その駐在員はドイツの文化や常識、法律を何も理解していない阿呆ということです。もしくは分かっていて敢えて、「日本人同士だから許して」と甘えていることになります。

つまり、日本のやり方を押し通す可能性が高い駐在員ということになるので、面接でどれだけローカルの文化を理解している人か必ず確認してください。

アホな駐在員

駐在員が夜中まで働いている

駐在員が夜中まで働いても、現地採用が定時に帰れていれば問題ない、こう思っていたらあなたも痛い目を見るかもしれません。いくら高いお給料をもらっていようと駐在員も一人の人間。限界はあります。

毎日過酷な労働を強いられ、本社と現地採用の板挟みともなれば、心は荒んでいきます。駐在員が健康的でもなければ余裕もない場合、現地採用にそのしわ寄せが回ってくる可能性があることは念頭に置いておきましょう。

自分の会社の話しかしない

在独日系企業は商社やメーカーが多く、さらに言えば、工場で使われる謎の機械、車のマイナー過ぎる部品の商社ということも多々あります。そういった場合、同じ業界からの転職でない限り、誰が入社しても製品の知識を叩き込むのに1年~3年かかる、ということがザラに起こります。

そうなると、「誰が入社しても一緒だから」「誰が入社してもゼロからのスタート」と、面接で応募者の話をあまり聞かず、自分の会社の説明しかしない、という普通ではあり得ない現場に出くわすこともあるものです。

これから一緒に働く人のことを知ろうともしない駐在員が率いる会社では、確実に地獄を見るでしょう。ぜひとも再考してみてください。

駐在員がドイツの文化を何も知らない

駐在員というのはエリート思考の人が多い傾向にあります。何かをドイツで成し遂げたわけではないのに、急に高いお給料をもらい始め、白人を従えて異国の地で経営を任されるわけですから、図に乗りたくなる気持ちも分からないでもありません。

ですが、だからこそ現地の文化に興味のない人が相当数います。現地の文化に興味のない駐在員の思考は次のようなものです。

  • 俺はエリート
  • 高いお給料を数年間もらい、勝ち逃げすればOK
  • 会社の命令で来ただけだから、ドイツには興味ないし、ドイツ人にも興味ない
  • 駐在員として滞在して金を稼いだ後に会社を辞めてハッピーライフを送ろう

正直ツッコミどころが多すぎるのですが、せっかくですの一つひとつ掻い摘んでみましょう。

まずはエリート思考です。本当に凄い人も中にはいますが、お給料ほしさに英語の実力テストに替え玉を用意して駐在に来るような人も中にはいます。なのにも関わらず、立場とお金で盲目になり、自身をエリートと勘違いしてしまうのです。

また、何とか数年間数字を維持すれば、高いお給料を数年もらい、日本に帰ってからはのらりくらり働けばよい、などと考えている人もいます。これは完全に、数十年後の日本を見据えず目先の票集めに走る政治家と一緒です。

また、忙しさを言い訳にしたり、そもそも自分の意志できたわけではないことを言い訳に、その土地に興味すら示さない人も多数います。そもそも現地の市場を知ろうとしていない時点でエリートとは言えないですよね。

一つ忘れないで欲しいのは、現地採用のことを親身に考え、真面目に働く駐在員もいることです。ただ、それと同じくらい、とにかく逃げ切り思考や勘違い野郎が多いのが問題なのです。

面接では、アイスブレイクとして週末の過ごし方やドイツ生活などについても話してみると、その人がどのように考えているかを垣間見ることができます。

週末は家族でドイツ国外へ旅行、ドイツ人の友達ゼロ、ドイツ語1単語も知らない、などは危険信号です。

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました。肝要なのは、駐在員に着目すること。彼らの人となり、仕事への姿勢、生活スタイル、本社の社風など、視野を幅広く持つことで、なんとなく臭いをかぎ分けることができるはずです。

Follow me!