
コロナの規制が講じられるとともに、日本-ドイツの出入国に大きな影響が出るようになりました。ドイツ-日本間の規制に関しては毎月のようにコロコロ変わるので、詳細に関しては厚生労働省やドイツ機関のホームページを適宜参照することをお勧めします。
押しなべて、以下のポイントは一貫していますし、今後も当分続くのではと思います。
飛行機便が減った
コロナ発生前、日本-ドイツの行き来にはいくつかの選択肢が用意されていました。日本側の入り口としては羽田、成田、関空などで、ドイツ側の空港はデュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルトです。これらのうち、旅行者の激減とそれにともなる減便によって、現在日本とドイツを結ぶ直行便は2021年9月現在、フランクフルト-東京便のみとなり、機体の大きさも変わることとなりました。
以前は毎日のように出ていた日独便ですが、今では週に数回となり、日本行きの飛行機に乗ってみても中はガラガラです。サービスも簡素化され、食事の選択肢も減ることとなりました。空港でもやっているカフェやレストランがほとんどなく、出国前のひと時はベンチに座って過ごさざるを得ません。加えて、日本に着くまで11~12時間ほどマスクをし続けなくてはならず、快適で楽しい空の旅が、すっかり陰鬱としたものとなっています。

良い点としては、ガラガラなのでエコノミーで乗っても、左右の席を全部独占でき、即席ベッドが作れてしまう点です。中には、枕や布団を持ち込んでいる猛者もいます。
陰性テスト提出が必要になった
直近のコロナの感染者数によって対策がコロコロ変わるのですが、基本的に、ドイツから日本への渡航の際は日本政府は2回陰性試験を要求します。
- ドイツ出国前の陰性検査
- 日本到着時の陰性検査
これは2021年9月現在、ワクチンパスポートを持っていようがいまいが日本への渡航者全員に求められる措置で、非常に面倒なものです。
ドイツ出国前の陰性検査
規制内容やフォーマットがころころ変わるので、最終的には以下の厚生労働省のサイトを見る必要がありますが、2021年9月現在、ドイツから日本へ渡航する場合、出国前72時間前の陰性検査証明書を所定のフォーマットでおこなうひつようがあります。
ドイツの空港でこれら必要な証明書に関してはチェックされ、これがないと飛行機に乗れないので、しっかり確認し、準備しておきましょう。
日本到着時の陰性検査
こちらに関しては、ドイツ出国時の検査と違い、日本側が用意してくれているもので、費用などの負担もこちらがする必要はありません。流れとしては以下のような形です。
- 空港に到着
- 空港職員の指示に従って検査場まで移動
- 検査場にはいくつかのブースがあり、検査会場前に、口頭での面談室などがある
- 検査会場では唾液によるPCR検査を受け、検査後に1時間前後待たされる
- 結果が陰性と出たら、陰性証明書を貰えるので、そこから公共交通機関を使わずに自主隔離所まで移動する(危険地域からの入国の場合、自主隔離ではなくホテルなどへの強制隔離となり、その際はバスに乗せられてホテルに連れていかれる)
要するに、こちらから用意するものは何もなく、空港職員側の指示に従っておけば大丈夫です。

自主隔離が必要となった
さて、コロナによる出入国規制の中で、日本への入国者への精神的、経済的、肉体的負担となるものの代表がこの「自主隔離」ではないでしょうか。2021年9月現在、自主隔離の日にちは到着日の翌日を起算日として14日で、その間公共交通機関の使用や外出は控えなくてはいけません。
この制度の欠点としては、以下のような点が挙げられます。
- 明確な罰則がない
- 明確に取り締まる人がいない
- 定期的に機関からメッセージなどが送られてくるが、本人でなくても返信できてしまう
まず、ホテル隔離以外の場合は空港から自主隔離施設(自身で予約したホテルや、自宅等)まで公共交通機関を使わずに移動する旨の誓約書を書かせられますが、検査所を出た瞬間から、空港職員はもはやこちらに目を向けていませんので、これを無視して電車などで移動している人は恐らく一定数いるのではと推測されます。
誓約書の内容も、ドイツのように明確な罰金規制などが示唆されているわけではなく、名前を公開するよ、と日本の文化らしい脅かし方で、恐らく日本に入国する外国人たちにとってはそこまで気にすることではないようにも思えます。

さらに、隔離場所に着いた後も、アプリによる体調の通知や、グーグルマップによる現在地のトラッキングなどが行われますが、携帯を家において外出してしまえばこんなものいくらでもごまかせてしまう欠陥システムです。もちろん、体調に関してもすべて自己申告なので、正直に体温を測って報告している人は少ないと思います。
お互いに入国に明確な目的が必要となった
日本人以外の国籍の外国人は、特殊な目的以外で日本に渡航することができなくなりました。出張、就職目的の外国人も締め出してしまったため、ただでさえコロナで孤立していた日本の経済が、これによってますます孤立に拍車をかけたようにも思えます。
対して、日本→ドイツへの入国に関しては非常に流動的で、長期ビザがあれば入国はOKというスタンスは変わりませんが、その他語学学校ビザなど軽い理由での入国は条件がきつくなったり緩くなったりを繰り返しています。

新卒で出版会社に働くが、2年で体調を壊し退職。以後30歳近くまで職を転々とし、終いには地元のブラック卸売り企業で年収300万円残業100時間生活を送る。31歳の誕生日直前にドイツにワーホリで渡航。現在フランクフルト在住。