会社を退職しドイツ移住するのに重要な国内の書類手続き5選

会社の退職と海外渡航という、人生でも中々経験しないであろうイベントが同時期に押し寄せてくると、書類上の手続きもやることが山積してきます。僕の退職の経験をもとに、退職後にドイツに行く場合、日本国内でどのような手続きをしておけばいいのかを紹介していきます。

住民票の抹消と海外転出届

さて、そもそも住民票とはなんでしょうか。浦安市のホームページによると、以下のように定義されています。

住民票は、「住民の居住関係を公に証明するもの」です。住民票の写しには、「氏名」、「生年月日」、「性別」、「住所」、「住民となった年月日」、「届け出日および従前の住所」などが記載されています。「世帯主の氏名と世帯主との続柄」、「本籍及び筆頭者氏名」は、住民票の交付を申請するときに住民票への記載の有無を選択することができます。
(参考:浦安市ホームページ

住民票とは、日本のどこかに住所を持っていることの証明書で、健康保険や年金、マイナンバーなど、様々な公的サービスと密接に紐づいています。そのため、この住民票を抹消するということは、国内サービスを享受する権利と義務を放棄することにあたります。

海外転出届は、海外での滞在が1年以上見込まれる場合、転出日から起算して14日前以内に最寄りの市役所などでおこないます。ただし、1年以内に帰ってきたとしても特にペナルティなどがあるわけではなく、あくまで口頭申告で判断されます。これによって後述する「年金」と「健康保険」の支払いが義務ではなくなります(年金は義務ではなくなるが、支払い自体は可能)。

住民票を抹消しても、国内で連絡のつく住所(家族など)を残しておく必要はあります。例えば、手持ちの銀行口座やクレジットカードの有効期限の満了通知や、免許証の更新の連絡などは郵送で行われるので、国内に連絡のつく住所が無いとこうした重要な通知が受けられません。

健康保険は解約したか

会社を退職し、ドイツ渡航までの期間は会社の健康保険の庇護下から外れ、独自に健康保険を申請しなくてはいけません。

  • 任意継続被保険者制度の活用
  • 国民健康保険

他にも、条件さえ許せば家族の扶養に入ることも可能ですが、基本的には上記2つのいずれの方法から選択する形になるのではないでしょうか。いずれの場合でも、会社で働いていたころと比較し健康保険の値段が上がってしまいます。

さて、ここで注意しなくてはいけないのが、「健康保険の支払いは住民の義務」であるという点です。かみ砕いていうと、日本に住民票がある限り、この健康保険の支払いの義務は常に発生し続け、自身が健康保険等いらないから入りたくないと言っても、自動で支払わざるを得ない仕組みになっています。

つまり、住民票を抜かずにドイツに行ってしまい、健康保険未納という状態が延々と続き、次回日本に帰ってくるときに膨大な量の未払い健康保険金を請求される危険があります。

逆に言うと、日本に住民票が無い状況であれば健康保険の支払い義務は発生しません。そのため、ドイツに長期滞在する際にはこの健康保険を支払い続ける意味はないわけです。

では、具体的にどのように健康保険を解約すればいいのでしょうか?健康保険は住民票と紐づいているため、住民票の抹消=健康保険の解約にあたります。すでに健康保険証を持っている場合、その返納の義務が生じるため、詳しいやり取りは最寄りの市役所などでおこなってください。

年金の猶予手続きを済ませたか

海外渡航中は年金の支払い義務から解放され、猶予手続きを行うことが可能です。これによって、年金の支払総額に加算はされないものの、未納とみなされることがなくなり、いわば時間がストップするような形です。
(参考:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

最寄りの市役所にてこの手続きは行うことは可能です。住民票、健康保険の解約と同様に、ドイツに行く前にしておきたい事務手続きの一つですね。

パスポートの更新

パスポートは、5年あるいは10年のものを選択できますが、有効期限が1年を下回ると、これの早期延長が可能となります。

仮に有効期限が1年を下回っている場合、必ず日本にいるうちに更新手続きをしておくことをお勧めします。理由として、ドイツで取得できる滞在ビザはパスポートと紐づくため、ビザの有効期限の限界値=パスポートの有効期限、となってしまうのです。

そのため、例えば4月1日にドイツ渡航で、10月1日にパスポート有効期限切れ、などの場合、ドイツでせっかくビザをとっても、10月1日までに再度パスポートを更新し、その後改めて外人局でビザの更新を行わなくてはならず、二度手間になり、無駄な費用と時間がかかります。

車の保険などの海外中断を行っているか

自動車保険は、等級制度というものが備わっており、無事故の期間が長ければ長いほど、自動車保険の保険料が安くなっていく仕様です。そのため、自動車保有から10年を超えて等級15や20となると、事故車と比べて年間の保険料に10万円も20万円も開きがでてくるわけです。

さて、この自動車保険の等級ですが、基本的には自動車と紐づいているため、自動車がこの世に存在し続ける限り保険料を支払わないと等級が消滅してしまうのですが、例外的に、海外渡航中はこの等級を「中断」し続けることが可能になります。

(参考:ソニー損保 海外転勤のため一時的に保険を中断したい

将来的に日本に帰ってくる可能性もある以上、お金のかかる手続きでもないので、中断手続きをしておきましょう。

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