底辺サラリーマンがドイツ就職に成功したマル秘テクニック

あまり自分を落としてめて伝えるのは良くない事ですが、控えめに言っても30歳までの自分のキャリアは、社会の底辺に位置しているようなものでした。年収300万円、ルーチンワークの営業の繰り返しで昇進も昇給も望めない。そんな僕が、ドイツの企業に採用され、年収ベースでは2倍になりました。

これは、僕に特殊な技術があったわけでも、特殊なコネがあったわけでもなく、ただいくつかのドイツ就職におけるポイントを押さえていたからに過ぎません。有能な人はともかく、僕のような底辺サラリーマンには、採用で生き残るトリックが必要なのです

ドイツ語を捨て、英語に振り切る

まず、多くの人が勘違いしていますが、ドイツ就職に必要なのはドイツ語ではなく英語です。ドイツ語は「Nice to Have」、すなわちあったら良いねというスキルですが、英語は「Must」のスキルとなり、どのような業界で働いても(ただし、一部技術職ではドイツ語のみ必要)基本的には英語が優先事項です。

これにはいくつか理由があり、そもそも外国人である我々がドイツで働く際には、こてこてのドイツ企業ではなく、ドイツに進出している日系企業や、外資系企業での就職がメインターゲットとなり、その際に社内の公用語はドイツ語ではなく英語であることが常だからです。

というわけで、僕はドイツに渡航する前、死ぬ気で英語をB2レベルまで押し上げました。これでもまだ、「流暢な英語力」には程足りませんが、最低限英語での業務遂行が可能となります。

月の残業100時間を超える自分にとって、業務の合間を縫って英語の勉強をするのは至難の業でした。大体、朝の7時には出社して、20時~21時頃まで会社にいるので、出社時間を除くと僕に残っているのは早朝5時台か深夜22時台、あるいは週末ということになります。ちなみに、いずれ触れていきますが、ドイツ就職に必要なのはドイツ語ではなく英語です日本で底辺貧乏サラリーマンだった僕がドイツ転職するためにやった5つのこと

使える時間が限られている以上、ドイツ語と英語、双方に時間とエネルギーを割くよりも、まずは英語を鍛え、ドイツ滞在中にゆっくりと時間をかけてドイツ語力を身に着けていく方法をお勧めします。

自身の前職と同業種を狙う

ドイツの仕事文化は「餅は餅屋」の文化で、その道のプロが求められます。その道のプロとは、突き詰めていうなれば営業でも同様のことが言え、「食品の営業」「スポーツ用品の営業」「家具の営業」などは、それぞれ別個独立したプロフェッショナルとみなされることが少なくありません。

僕の場合、日本で某卸業界で働いていたのですが、幸運にもドイツで、〇〇業界、営業歴3年以上、という求人を見つけることに成功し、そのポジションを獲得しました。

日本では、営業はつぶしの利かない職種として知られていますが、ドイツであれば〇〇業界の営業、というニッチな分野では少なからずニーズがあり、仕事獲得に繋がります。まずは、前職を通じた自分の持ち味を見つけ、その職種での応募に注力することをお勧めします。

リクルーターを活用する

ドイツにある企業の中でも、わざわざ日本人を採用してくれる企業というものは限られています。そのため、オンラインで求人に対して矢鱈めっぽうに履歴書を送って応募しても、採用に至らないケースがほとんどで、その場合自身のスキル云々よりも応募方法に問題があるケースが想定されます。

ドイツにあるリクルーターを活用することで、応募者は日本人の特定スキルを持った企業の採用担当と直接のコンタクトを得ることが可能になります。これは、毎日Linkedinなどをチェックし、日々履歴書を送り続ける手間を省き、最短ルートで採用に近づく方法になります。ドイツで有名な日系リクルーターとしては、以下のような会社が挙げられるでしょう

    • キャリアコネクションズ
    • キャリアマネジメント
    • アデ二
    • PSE
    • Fisher

注意しなくてはいけないのが、リクルーターを利用したからと言って面接が省かれるわけでも必ずしも採用されるわけでもなく、あくまで「採用の確率があがる」というだけです。その後、実際に採用に至るかどうかは、面接時の対応や、自身の持つスキル云々にかかってくると言ってよいでしょう。

関連記事:ドイツの転職リクルーター制度について解説します
関連記事:日本人はドイツでどのように就職する?就職方法を調べてみました

日本からではなく、ドイツから申し込む

企業に申し込むにあたって、自身のロケーションは重要なファクターの一つとなります。日本から応募する応募者と、ドイツから応募する応募者とでは、後者のほうが人事から見て優先順位が圧倒的に高くなるのは、想像するだに堅くないのではないでしょうか。

まず、ドイツから応募してくる応募者は、面接に呼ぶことが容易です。コロナの影響で、オンラインによる面接が増えたとはいえ、まだまだドイツでは「対面」による面接方式がオーソドックスなものです。人事担当者としては、そのため、すぐに面接に来られる人材を優先して面接に呼びたいところでしょう。

二つ目の理由として、ドイツにすでに住んでいる応募者は、それだけで「真剣度」が人事に伝わります。海外から応募してくる応募者の数は多く、ドイツの人事部も採用したとて彼らが本当にドイツに来てくれるかはわかりません。それよりは、すでにドイツに住んでいて、ドイツの文化や言語を知っているドイツ居住者のほうを優先させたくなる、というわけです。

もちろん、これはマストではなく、日本から応募して採用に至った、という応募者も中にはいますが、そういった人々は特殊なスキルやほかの応募者にない魅力的な長所を持っていたからで、そうしたアドバンテージの無い場合、ドイツから応募すると採用の確率がぐっと高まります。

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