ドイツで在留証明を申請するプロセス、所要日数と注意点

ドイツは日本に劣らず、お役所仕事の文化で知られています。仕事、賃貸、銀行、ありとあらゆる場面で契約書と署名が必要とされてくる国で、書類一つ入手するのも簡単ではありません。

今回の記事では、ドイツに住んでいるとなかなかお目にかかることのない、ただし我々日本人にとって重要な役割を担う「在留証明」の入手方法について解説をしていきます。

在留証明とは

そもそも、在留証明とはどのようなものでしょうか。領事館の案内には、以下のように説明されています。

在留証明とは、現在外国にお住まいの方(日本に住民登録のない方)が、外国でどこに住所(生活の本拠)を有しているか、又は有していたかを証明するもので、日本国内の機関から、主に以下の目的で提出を求められている場合に発給されます。

参照:在デュッセルドルフ日本国総領事館

要するに、ドイツに住んでいる我々は日本でいうところの「住民票」が発行できないため、住民票を必要とするような手続きが行えなくなります。具体的には、不動産の登記、会社の登記、日本の学校の受験手続等です。こうした際に、日本の住民票の代わりの働きをしてくれるのが「在留証明」です。

そのため、ドイツで普通に生活している限りでは中々必要とされる場面の少ない書類ではありますが、日本と関係するお役所仕事が出てきたときにはお世話になる場面が少なくないでしょう。

申請できる条件

まず、ドイツで「在留証明書」を発行できる条件についてみていきましょう。領事館のHPには、以下の記載があります。

  • 日本国籍者
  • 申請する領事館の管轄地域内に3か月以上滞在していること、または3か月以上の滞在が見込まれていること
  • 日本に住民登録していない

さて、これらは具体的にどのように証明されるのでしょうか

まず、「日本国籍者」であることの証明はパスポートによってなされます。パスポートは申請の手続き必要書類の中の一つでもありますので、これを忘れたら何もできずに家に帰ることになります、気を付けましょう。

3ヶ月以上滞在している、または3ヶ月以上の滞在が見込まれることの証明は、何かを提出するのではなく、こちらは「書面」での自己申告となります。ただし、後述のように「住民票(Meldebescheinigung)」の提出が必須となるため、その点に注意が必要です。

日本に住民登録していないことの証明は、こちら側ではすることができません。恐らく、領事館側でしてくれるのでしょう。

必要書類

申請に必要な書類には、以下の3つが挙げられます。

  • 在留証明願
  • 有効な日本国旅券(パスポート)
  • 3か月以内に発行されたドイツの住民票(Meldebescheinigung /Aufenthaltsbescheinigung等)

在留証明願に関しては、管轄領事館のHPから所定のフォーマットのものをダウンロードし、記載することが一般的ですが、手ぶらで領事館に行ってその場で備え付けの申請書に記載しても問題ありません(その場合、少し時間がかかりますが)。

日本の旅券に関しては、有効期限内のものでなくてはいけませんが、こちらは問題ないでしょう。

この3つの書類の中で一番難易度が高いのが「3か月以内に発行されたドイツの住民票」です。通常であれば管轄の市役所に行き、現住所などを申請することで入手できる書類ですが、昨今のコロナの影響で、申請方法がオンラインに変わった区域が多く、オンライン上で申し込んでから手元に届くまで1~2週間を要すようになりました。

在留証明書を早く入手したい場合でも、この住民票が手元にないとどうすることもできないため、早めに申請しておく必要があります。

申請の手順

領事館への予約などは不要で、管轄の領事館(デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルト、ベルリン、ハンブルグ)の営業時間内に訪れ、申請する形となります。ちなみに、管轄の領事館でなくても(例えば、出張の兼ね合いなどで、デュッセルドルフに住む人がベルリンの領事館を訪れる)基本的に受理はしてくれますが、担当の人に嫌な顔をされます。

上述の申請書類がすでに揃っている場合、窓口で「在留証明書」を申請したい旨を告げて必要書類を手渡せば完了です。申請は基本的に申請者本人が赴く必要がありますが、病気など一部例外的な条件下であれば、代理人による申請も可能です(その場合、旅券、委任状、医師による診断書が必要)。

申請が無事に終わると、引換券のようなものを渡されます。基本的には2営業日後に在留証明書の準備ができるので、2営業日以降に同領事館を訪れれば、その際に手数料の21€(2021年現在)を支払い、代わりに在留証明書を受け取れる仕組みです。手数料は現金でしか受け付けてもらえず、お釣りの出ない額であることが望ましいですが、仮にお釣りの出てしまう額でもしぶしぶ受け取ってもらえます。

また、受理に際しては本人である必要は必ずしもなく、代理人が赴く場合、引換券、代理人の旅券、手数料ならびに委任状が必要となります。委任状には特定のフォーマットはないので、インターネットなどでドイツ語のものを探し出して用意する必要があります。

これで、手続き~受け取りのプロセスは完了です。

ドイツで書類、ビザ申請関連は知らないと詰むことが多いので注意してください。関連記事はこちらから
会社を退職しドイツ移住するのに重要な国内の書類手続き5選
日本人のドイツ就職で必要になる書類5選

Follow me!