ドイツの日系企業を格付け!メガバンク3社の転職評価を徹底調査

日本ではCore30やLarge70といった企業の内定を勝ち取れるのはほんの一握りのエリートでしょう。僕のようなFランなど、説明会のエントリーの時点ではじかれてしまいます。

その中でも、ひと際存在感を放つのが「メガバンク3社」。高い給与と合コン受けする「銀行マン」の肩書にひかれ、多くの学生が応募します。インターネット掲示板の就職偏差値でいうと、59:三菱UFJ銀行、58:三井住友銀行、57:みずほ、といった形で、早慶~関関同立あたりのリア充上澄み連中が内定を貰えるような位置にあり、まさに就活戦線の目玉でしょう。

こうした日本の就活では人気の3社ですが、ドイツではまた違った評価があるのを知っていますか?ドイツでの日本のメガバンク3社の就職市場での評価をまとめてみます(2022年時点、転職サイトのKununuを使用した記事になります)

三菱UFGグループ

日本のメガバンクのトップに立つ三菱UFJ銀行は、グループで9兆円という売り上げを出しています(ブルガリア一国のGDPに相当しますね)。ドイツではリース会社を含め、デュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルグに進出しています。

ドイツ市場での売り上げや従業員はインターネット上からは発見できず(おそらく、親会社であるイギリスの統括に集約されているのだと思われる)でした。

さて、ドイツ版転職会議であるKununuの評価を見てみましょう。21人が評価し、総合評価は「3.1」という、手厳しいKununuにしてはかなり良い評価を得ています。給与3、社風3、労働環境3.1、と、給与面で悪い評価を下されがちな日系企業の中では健闘していますね。以下、Kununuにコメントを残した従業員の引用です。

いろいろな意味で、本当にエキサイティングな雇用主だと思います。しかし、それはそれぞれの地域や経営者に大きく依存します。もちろん、日本の企業文化(失敗を許さない、非常に厳格なガイドラインとプロセス、長い意思決定プロセス)がよく表れており、時にはフラストレーションを感じることもあります。しかし、古くからいる従業員の中には、不平不満ばかり言って、お互いにイライラしている人も少なくないと言わざるを得ません。でも、転職活動をするほどではないようです

平均以下の給料。地域によっては、同等の立場の市場参加者の給与の3分の1を下回っているところもある。約束された昇給は、過去の約束にもかかわらず、薄っぺらい「理由」では認めない。

様々なコメントを読んでいると、仕事環境はともかく、給与面の評価は眉唾かもしれませんね。やはり日系企業は業界平均よりも少し下がってしまうのか・・

三井住友銀行

国内2番手のメガバンク、三井住友も当然のことながらドイツに進出しています。フランクフルトに1、デュッセルドルフに2、支店を持っており、ヨーロッパ拠点はイギリスにあります(ヨーロッパ全体での従業員数は1000人、売上は200億円規模だが、ドイツ単体での従業員数は不明)。※2020年のAnnual Reportを参照

Kununuの評価を見てみると、三菱ほど高くはありませんがそれでも2.8の総合評価を得ており、Kununuが割と辛口であることを考慮すると善戦していると言っていいでしょう。以下、Kununuの口コミを引用。

従業員を本当に大切にしていること。企業年金制度、福利厚生としての健康保険、良好な給与など、さまざまな条件があります。全体的にとても働きやすい雰囲気

上位の階層は非常に高い給料をもらっている。「一般大衆」は給料を低く抑えられているが、他では同等の給料はないと信じ込まされている。

給与に関してもKununuに表記があり、一般社員で45000€(600万円)と銀行業界の平均値を少し下回るくらいでしょう。地区マネージャーとなると100,000€で、1300万円くらいの世界ですね。Kununuの口コミでは、日系企業らしく福利厚生はしっかりしているが、手取りは少し少ない、といった感じでしょうかね。

みずほ銀行

日本ではオンライン口座の不具合で悪い噂の絶えないみずほ銀行ですが、それでもメガバンクの一角、ドイツではみずほグループが3社進出しています(デュッセルドルフに1社、フランクフルトに2社)。

従業員数に関しては2021年の「Jahresabschluss und Lagebericht」によると39人のようです。もっとも、このレポートがどこまでの子会社を含むのか分からないので、あくまで参考程度に。

Kununuの評価は「1.8」と、労働環境はかなり低く見積もられていますね。最も、評価をしている人間の数が1人しかいないので、あまり当てにならないかも知れません。

分析

ドイツの銀行業界のKununuによる総合評価の平均値は「3.5」なので、日本のメガバンク3社とも、やや業界平均を下回っている感じですね(みずほは母数が少なすぎて信ぴょう性に欠けますが・・)。

  三菱UFJ 三井住友 みずほ
総合評価 3.1 2.8 1.8
評価数 21 8 1
ドイツでのグループ会社数 5 3 3

ただ、こういった「大手金融企業」に日本で入ろうとすると難関大学を出て、就職戦争に勝ち抜き、ようやく合格できるものですが、ドイツでは「英語」「ドイツ語」のできる日本人というだけで、日系企業であれば割とチャンスが巡ってきます(僕のようなFラン卒でも、日本では入れないような大手にドイツで内定を貰いました)。なので、僕のように日本でくすぶっている人間には、勝ち上がるチャンスが巡ってくるかもしれません。

ちなみに余談ですが、銀行(バンキング)業界はドイツ人の中でも「高給激務」で知られる業界です。17時に家に帰るドイツ人が普通な中、金融系で働くドイツ人は夜まで残業、ということも少なくありません。ドイツに来てまで激務は嫌だ、という人は他の業界を受けたほうが良いでしょう。

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