【日本とは違う?】ドイツ特有の政治教育とデモ文化について

日本とは違いドイツ人は頻繁にデモを行っています。

背景にはドイツ特有の政治教育や文化があります。

本日はそのことについて書いていきたいと思います。

①国の文化や環境、国家教育制度の違い

日本は和を以って尊しとなす文化です。

KYという言葉があるように空気を読むことを美徳とし、波風を立てないことが是とされがちな風潮が未だにあるかと思います。

しかしドイツは違います。

自分の思ったことをはっきり主張することを是とする文化です。

日本人とは違う?ドイツ人の性格を徹底解説

 

小学校の教育から自分の意見を主張することが重視されます。

発言の有無が成績にもつながるため、堂々と意見を表明することが良しとされ皆身体に染み付いています。

またドイツの政治教育には、「ボイテルスバッハ・コンセンサス」という大原則が1976年に作られています。

内容は「生徒が自由に発言し政治的な視点をしっかりと持てるよう、教員が生徒の意欲を無理に押さえつけないこと」「実際の政治に関して議論があることは、そのまま授業で扱うこと」「生徒が自分の関心や利害をもとに政治に参加できる能力を取得させること」といったもので、小学校で講義から社会運動までの手順を学ぶ機会もあります。

The DemoS research project, which is financed by the Federal Ministry of Education and Research (BMBF), aims to produce a comprehensive review of democracy education in Germany, both in practice and as a subject and objective of political education at secondary level general education and vocational schools as well as in examples of specialist teacher training.

DemoS is part of the collaborative project Demokratiebildung in Deutschland (democracy education in Germany) being conducted with the German Youth Institute (DJI) which is also addressing early childhood education in a complementary sub-project called Bildung und Demokratie mit den Jüngsten – BilDe (Education and democracy with very young children).

 

■私訳:

連邦教育研究省(BMBF)によって資金提供されているDemoS研究プロジェクトは、ドイツの民主主義教育の実践と、中等教育及び専門学校における生徒の政治教育及び政治教育に特化した教師の訓練の両方を目的としています。

DemoSプロジェクトは,BilDe(Bildung und Demokratie mitdenJüngsten)と呼ばれる幼児向けの民主主義教育にも取り組んでいるドイツ青年研究所(DJI)と連邦教育研究所が共同で実施されているドイツの民主主義教育(ドイツの民主主義教育)の一つです。

参照:http://www.gei.de/en/departments/knowledge-in-transition/subjects-for-democracy-demos.html

②デモを実行出来る土壌(法律、環境)がしっかりある

よく在ドイツ日本大使館からのメールで、”何月何日どこで〇〇に関するデモが行われます”といった内容のメールが届いたりします。

情報源は主催者団体と警察本部からで、街のどこからどこまで行進を何時から何時まで行うといった詳細まで事前に決められているようです。

ドイツで生活していると週末によく大規模なデモを行っているところを見かけます。

 

ドイツでは、国民の抗議集会や公の抗議の権利を保護してきた長い歴史があります。

1949年に制定されたドイツ連邦共和国基本法(Basic Law for the Federal Republic of Germany)の中で「集会の自由」が基本的権利として認められています。

 

Article 8

[Freedom of assembly]

(1) All Germans shall have the right to assemble peacefully and unarmed without prior notification or permission.
I. Basic Rights 17

(2) In the case of outdoor assemblies, this right may be restrict- ed by or pursuant to a law.

 

■私訳:

第8条

【集会の自由】

(1)すべてのドイツ人は平和的に集まる権利を有するものであり、事前の通知や許可なしに武装してはいけません。I.基本的権利17


(2)屋外集会の場合、この権利は法律によって制限または準拠される場合があります。

 

参照文献:https://www.btg-bestellservice.de/pdf/80201000.pdf

 

このように事前の通知と武装化しないのであれば、集会(デモ行進)を行う自由が認められており、民主主義運動に関する教育を受けているドイツ人にとっては、ドイツはデモを実行し易い環境であると言えます。

 

③まとめ

ドイツの抗議運動(=市民的不服従)は1970年代半ばから盛んになったそうです。

※市民的不服従とは市民が抗議のために、覚悟のうえで法律を犯すことです。

1970年代で大きな抗議活動は、1975年2月18日に原子力発電所の建設に反対しようと、数百人のデモ隊が、バーデン地方、ヴィール・アム・カイザーシュトゥールの原子力発電所建設予定地を占拠したことが挙げられます。

警察によってデモ隊は排除されましたが反対派は決して諦めず、建設反対運動は何年にも及び、最後には反対派が勝利を勝ち取ることが出来ました。

ドイツではこういった市民的不服従による権利の獲得が根付いているのでしょう。

よくドイツ人が徒党を組んで訴えるのはこうした所から来ているのかもしれませんね。

 

 

Follow me!