
僕がドイツに来てびっくりしたことの一つが、ドイツの冬の暗さと寒さです。東京で生まれ育った僕にとって、こんなに長く暗いドイツの冬は心底メンタルに悪く、ドイツに来たてのころは1ヶ月くらいどんよりとした気分で生活したのを覚えています。
ドイツの冬と、それを乗り切るためのアドバイスなどを、僕の経験を元にして紹介していければと思います。
ドイツの冬
大体、ドイツの冬の始まりは11月ごろの印象です。10月31日にはサマータイムが終わり、夏の間あれだけ長かった日が、徐々に短くなっていき、冬時期には15時台に日の入りを迎える始末です。
緯度でいうと北海道よりも北に位置し、冬の平均気温は(町によって異なるが)0℃前後程度、温度よりも冬の暗さが陰鬱で、多くの日本人が精神を病むのもこの時期です。
室内の防寒対策
日本とドイツの家の決定的な違いに「エアコンの有無」が挙げられます。家に備えられているのは電源を入れると徐々に暖かくなる暖房のような機械で、冬の間は放っておくと凍ってしまったりするので注意が必要です。
この、ドイツ式の暖房の嫌なところは、温度調整ができないところで、夜寝るときにつけっぱなしにすると、夜熱くて目が覚めることもあります。逆に、寒い外から帰ってきてすぐに暖かい部屋にしたくても、部屋全体が温まるまでしばらく時間がかかり、エアコン文化に慣れ親しんだ我々からするとなんとも不便です。
ちなみに、電化製品屋や大型スーパー等にいけば、小型のヒーターなども安く売っているので、即効性のあるヒーターが欲しければ買っておいても損はありません。
冬がらみで注意しなくてはいけないのが、室内にカギを忘れたまま外に出てしまうと生死にかかわるという点です。以前の記事でも書いた通り、ドイツの家はほぼオートロック仕様なので、部屋にカギを忘れて外に出ると家に入れなくなり、真冬の夜などの場合最悪凍死します。そうなった場合、鍵屋を呼ぶ、大家にスペアキーを持ってきてもらう、などの対処が必要になってきます。
防寒グッズ
マフラー+帽子+手袋の3点セットは、ドイツの冬を乗り切るうえで必需品ではないでしょうか。ドイツの冬の夜はマイナス10度くらいになることもあるので、肌の露出している部分からダメージを受けていきます。
また、ドイツ人は冬でも雪中でも自転車をこいで会社に向かうことがありますが、みな手袋は必需品ですね。ハンドルの部分が凍てつく冷たさになります。
日本でいうホッカイロのようなものは売ってなく(僕が知らないだけかもしれませんが)、一度肌が冷たくなってしまったら温水につけるなどして温めるしかありません。
ドイツの冬の料理
作物不毛地帯であるドイツは、むかしから冬はとれるものが更に取れなくなり、ソーセージやベーコンのような保存食が発達しました。他にも、ジャガイモ、玉ねぎ、にんじん、などの根菜で攻めてくるレパートリーになりがちで、体を温める料理というよりは冬に使える食材をぶち込んだ料理、的なものが出てきます。
日本でいうおでんや鍋のような、体が温まるドイツ料理というのは中々冬でもお目にかかることが少なく、唯一「かぼちゃのスープ」や「ロールキャベツ」というどこの国にもありそうなレパートリーが冬のドイツを乗り切る食事と呼べるでしょうか。
ちなみに、ドイツ人は真冬でもビールを飲みます。焼酎のお湯割りや、熱燗など、暖かいアルコールが恋しければ、クリスマスマーケットに売っている「グリューワイン」という暖かくて甘いワインがおススメです。体を温めてくれます。
冬の運動
冬になると、室外ではなく室内での運動が目立つようになります。ジム通い、プールなどが一人でできる運動としてはおススメで、バトミントンやテニス、卓球などもほとんどの町でプレイすることが可能です。
スキーやスノーボードも、雪山まで行けばできるにはできるのですが、雪質が悪い(転ぶと痛い)、アクセスが悪い、スキーウェアやスキー板のレンタルが高い、サイズが大きいのだけ、ロッカーのセキュリティがガバガバ、と、日本のクオリティの雪山を期待しているといろいろと裏切られます。
冬の仕事
日本では、12月末は死ぬほど忙しく、1月上旬はまったり、という形ですがドイツでは12月後半からもはや誰も働かなくなります。ドイツの正式な祝日は12月25日くらいなのですが、実際にはみな有給を消化したり、会社ごとに24日や31日をお休みにしていたりと、実質12月15日あたりを過ぎたら誰とも連絡がつかないくらいに覚悟しておいたほうが良いでしょう。
人によっては1月2日から仕事に復帰しますし、人によっては1月も新年からがっつりと有給をつかい、中旬位になって仕事場に戻ってきます。何か大切な用事がドイツ人にある場合、12月初旬までにケリをつけておきましょう。

新卒で出版会社に働くが、2年で体調を壊し退職。以後30歳近くまで職を転々とし、終いには地元のブラック卸売り企業で年収300万円残業100時間生活を送る。31歳の誕生日直前にドイツにワーホリで渡航。現在フランクフルト在住。