
ドイツに滞在している多くのワーホリ日本人の話を聞くと、大多数が「ドイツの語学学校に通ったことがある」または「通っている」と回答します。かくいう僕もドイツに来たてのころは格安の語学学校に通い、頑張ってドイツ語の勉強をしたものです。
みなが口をそろえて言う「語学学校」ですが、果たしてどのようなものなのでしょうか。個人的な見解を述べていければと思います。
語学学校に行くメリット
- モチベーションが高まる
- ビザが取得できる
- 友達が増える
- 就職前の練習ができる
さて、語学学校に通うメリットを箇条書きしてみると、授業のクオリティ自体よりも、副次的なプラスポイントが多いようにも思えます。まず、語学学校に通う最大のメリットだと個人的に思うのが「モチベーション」です。語学の勉強において、一番重要なのは語学の才能でもテキストでも優秀な講師でもなく、この、いかにして長く勉強を続けられるのかのモチベーションにかかっていると思います。
テキストブック、ユーチューブ、語学アプリ、プライベート講師、など他にもドイツ語を勉強する方法はごまんとありますが、その中でもあえて高い金を支払って語学学校に通う理由はこの「モチベーションの維持」にあると思います。
実際に、アプリやテキストのみでドイツ語を話せるようになることも物理的には可能なのでしょうが、孤独な勉強を1年毎日5時間程度続けてようやく成し遂げられるようなものです。これを完全に一人のモチベーションで続けられる人は、ある意味努力の天才だと思います。
もう一つ、日本人にとってドイツの語学学校に通う大きなメリットが「ビザが取得できる」という点です。ご存じの通り、ドイツのワーホリの条件は31歳の誕生日を迎えていないkことなので、31歳以上の人は観光ビザで3ヶ月の滞在しか許されていません。ところが、この語学勉強ビザを取得すれば、語学学校にいる限り、半年でも1年でもビザの延命が可能になるのです。
もう一つ、重要なポイントが「友達ができやすい」という点です。語学学校という特性上、当然ドイツ人の生徒はいるはずもなく、南米、東欧、アラブ、東アジア人たちの生徒がほとんどですが、同じ志を持ってドイツでドイツ語を勉強している彼ら、彼女らとの友情は、語学学校を終えてからでも長く続きがちです。
特に、言葉も文化も違うドイツ社会に溶け込むには、就学・就業前にどこかでの「練習の場」が必要になってきます。みなが同じような語学のレベルで横一線な語学学校こそ、ヨーロッパの文化に慣れていない日本人にとって格好の練習場なのです。
語学学校に行くデメリット
続いて、ドイツの語学学校に通うデメリットを見ていきましょう。メリットがあれば、当然デメリットも発生してしまいます。
- 費用がかかる
- 平日でないと開講していないところが多い
- 教室まで通わなくてはいけない
まず、語学学校の最大のネックとなるのが「費用」です。ドイツの語学学校の相場は、フルで通うことを考えると月に500€前後くらいではないでしょうか(グループレッスン、毎日通うと仮定して)。
ひと月通ったくらいではドイツ語が話せるようにはならないので、最低でも三ヶ月~半年くらいは通うことになりますが、そうすると20万円~40万円くらいの世界になります。
また、語学学校の多くは大学の準備などでみっちりと勉強したい学生などを対象に行われるので、基本的に開講しているのは平日の真昼間などで、仕事などと掛け持ちするのが難しいスケジュールになります。そのため、この語学学校に通っている期間は、バイトなどを除くと収入がストップしてしまう恐れがあります。
また、教室まで通わなくてはいけないのも地味にネガティブなポイントです。コロナでオンラインの授業が増えたとはいえ、基本はやはり通学し、現場でのコミュニケーション。そうなってくると、どうしても語学学校の近くなど、語学学校を生活の主体に家探しなどをしなくてはいけなくなります。語学学校代+家賃を足すと、それだけで一ヶ月に1000ユーロは(13万円くらい)かかってきてしまいますので、ドイツ滞在費の足かせになってきます。
語学学校には結局行くべき?
さて、これらを総括して「語学学校に行くべきか」の質問の答えを見てみましょう。上述の通り、ドイツの語学学校はドイツでの生活を始めたばかりの人の補助輪のような役割を果たすと思いますが、大学院受験や看護師資格の取得などドイツ語の資格を特段用いる目的が無い限り、長居する必要はないと思います。
3ヶ月、6ヶ月とドイツでの滞在が長引き、語学学校以外にも友人やドイツ語を話す環境が出そろってきたら、既に語学学校に残る意味は無いのではないでしょうか。仮に仕事しながらドイツ語を学ぶ場合は、ガチ目の語学学校ではなく、夜間に開講している語学学校や、多少割高でもプライベートレッスンを利用することをお勧めします。

新卒で出版会社に働くが、2年で体調を壊し退職。以後30歳近くまで職を転々とし、終いには地元のブラック卸売り企業で年収300万円残業100時間生活を送る。31歳の誕生日直前にドイツにワーホリで渡航。現在フランクフルト在住。