
民泊の出現、2019年以降COVIDの大流行などにより、旅の在り方も従来のものからがらりと変わってきました。主にブッキングコムなどを通じて予約できる宿泊施設のカテゴリには大まかに分けると「ホテル」「ホステル」「アパートメント」の3つがあり、それぞれが宿泊客を食い合ってしのぎを削っています。
僕はドイツに移住して以降の5年間でドイツ国内外ヨーロッパ各国を旅行しており、上述の「ホテル」「ホステル」「アパート」の3カテゴリもいろいろな国で吟味してきました。その経験から、ドイツに旅行する際にはどのカテゴリがおススメか、それぞれの長所・短所を交えて紹介していければと思います。
ホテル
ホテルもピンキリですが、基本的にレセプションがあってサービスがオーガナイズされている宿泊施設をホテルと呼びましょう。一般的に民泊施設やゲストハウス、アパートと比較し、ホテルのサービスの質は良いものです。
レセプションがある、というのが最大の長所で、これのおかげでカギを無くした、深夜の到着になった、Wi-Fiが使えない、シャワーのお湯が出ない、などのトラブルにすぐに対処してくれます。セキュリティの点でも、普通以上のクオリティのホテルであれば防犯カメラを設置したりと、基本的に安全面に気を配っていますね。
短所に目を向けると、やはりホテルはホテル、人工的な宿泊施設である感じが否めません。キッチン(中にはついている施設もありますが)や洗濯機のついた民泊施設などと比べると、全体的にリラックスしづらい印象がありますし、友人などを招くのにもセキュリティの目が一々細かいです。
長所
- レセプションがある
- セキュリティがしっかりしてる
- トラブル対応に強い
短所
- 規約が細かい
- 友人などを部屋に招きづらい
- 長期滞在しリラックスするには不向き
ホステル
ホステルにも様々な種類がありますが、ここではいわゆる「共同の部屋」に見知らぬ旅行者同士が宿泊するスタイルのものを指します。ホステルによっては「女性部屋」「4人部屋」など様々なものを用意しており、旧来の危ないイメージのホステルから、若い旅行客同士がホステルを通じて親交を深める場のような形に脱却を狙っています。
ホステルの最大の特徴はなんといっても一泊の宿泊費の安さで、ドイツであっても一泊あたり「10EUR」前後が相場になります(部屋の人数によるものの、中には20EUR近いものもあり)。
ホステルによりけりですが、最近では部屋内にセキュリティボックスを完備していたり、防犯カメラでチェックしたり、部屋ごとにカギがついていたりと、安全面では注意を払っているように見えます。
共用部分にはキッチンや洗濯機などもついており、短期のみならず長期の滞在者もアトラクトしている感じです。
一方で短所としてプライバシーがないことが挙げられます。部屋は基本的に集団部屋なので、場合によっては二段ベッドの上と下とに分かれて見知らぬ二人が寝るような形、トイレやシャワーも順番を守って使用、という形式で、さながら合宿のようですね。
長所
- 宿泊費が安い
- 共用部にキッチンなどがついている
- 一人旅でも友人が作れる
短所
- プライバシーがない
アパートメント
Airbnbの登場以降、宿泊施設の選択肢に「民泊」「アパートメント」というものが増えました。Booking.comなど大手サイトでもアパートメントは積極的に宣伝しており、キッチンがついていたり、洗濯機が使えたりと、長期滞在者には嬉しい長所がたくさんあります。
一方で短所に目を向けると、ホテルやホステルのようにレセプションがあるわけではないので、鍵を忘れた、領収書が欲しい、などのリクエストにパッと答えてくれることがありません。
僕の場合、3日以上の滞在であればアパートメントを考慮に入れることが少なくありません。逆に、1泊2日といった短い滞在だったり、深夜の到着でレセプションが無いと不安、といった場合にはホテルを選択します。
価格帯的にはホテルの同等クラスの部屋と同じくらいの印象ですね。個人経営だから特別安い、という印象もあまりありません。
- 長所
キッチンがついていることが多い - 洗濯機が使えることが多い
- 友人などを呼べることが多い
- 短所
レセプションがない - 領収書を取りづらい
- トラブル対応に弱い
どの宿泊施設がおススメか
では最後に、実際にドイツを旅する時にどの宿泊施設がお勧めなのかを採点します。ホテル、ホステル、アパートと一長一短の要素があり、どれが適しているかは予算と宿泊人数によるのではないでしょうか。
ホテル | ホステル | アパート | |
値段 | 普通~高い | 安い | 普通~高い |
レセプション | あり | あり | 基本なし |
出会い | なし | あり | なし |
プライバシー | あり | なし | あり |
一般家庭のような設備 | 基本なし | 共用部にあり | 基本あり |
短期、出張などであれば確実に領収書の切れるホテル一択ですし、長期、プライベートで友人などと宿泊するのであればアパート、そして学生の一人旅ならホステル、といったところでしょうか。

新卒で出版会社に働くが、2年で体調を壊し退職。以後30歳近くまで職を転々とし、終いには地元のブラック卸売り企業で年収300万円残業100時間生活を送る。31歳の誕生日直前にドイツにワーホリで渡航。現在フランクフルト在住。