ドイツから他のシェンゲン国に陸路で越境する際の注意点

僕は仕事でもプライベートでも旅行が好きで、ドイツ国外にしょっちゅう出かけています。飛行機を使うことがほとんどですが、中には電車で越境することも少なくなく、日本では味わえない「陸路での越境」をたびたび経験しています。

空港と違い、パスポートコントロールもないシェンゲン内の陸路での越境とは、一体どんなものなのでしょうか。僕の経験上、列車でドイツから他のシェンゲン国(オーストリア、フランス、ポーランド等)に越境する際に注意したほうがいい事柄に関してまとめていきます。

パスポート・ビザを持参

シェンゲン国間を越境する際には、基本的にパスポートコントロールも税関審査もありません。ただ、これはパスポートを持参しなくてもいいという意味ではなく、国境を陸路で超える際にもしっかりとパスポート・ビザを持参しておく必要があります。

パスポートは言わずもがな、日本国民であることを証明すると同時に、滞在先でトラブルに巻き込まれたときの助け舟になります。ビザに関して、これはシェンゲンエリアに3ヶ月を越えて滞在していることの正当な証明書となるので、同じく持参が必要です。

(基本的には、パスポートとビザは滞在先の国で持参し続けたほうが良いでしょう。ドイツから他のEU国に旅行し、旅行先でパスポートを持参していなかったため、罰金を科された、という話も聞きます)

僕の経験上、国境を超える際にパスポートやビザをチェックされるのは15%くらいの頻度です。しかも、時間の関係上、乗客全員のパスポートをチェックするのではなく、何人か抜き打ちで検査して終わりです。以前、パスポートに不備があったのか、黒人風の女性が泣きながら警察に連行されていく姿を見たことがあります。

ローミングに注意

携帯の契約にもよりますが、国境を超えると携帯のプロバイダー会社も変わってきます。日本からレンタルで持ってきた携帯など、ドイツに紐づいている携帯をそのままの状態で他の国にもっていって使うと、膨大な通信料が請求される恐れがあります(ドイツ国内で契約した携帯の場合、大抵EU国内での通信料は同じですが)。

不安な場合、ローミングをオフにするか、フライトモードにしておくと良いでしょう。ちなみに、国境を超えるような列車内の場合、どちらかの国境を出るとWi-Fiが使えなくなるケースがほとんどです。

コインを持参する

ドイツ・ポーランドの国境のように国境をまたぐと通貨が変わるような列車内でも、大抵両方の国の通貨が使えます。なので、車内販売などでコーヒーやお菓子を買う際には基本ユーロがあればいいのですが、大抵販売員はお釣りをたくさん持ち歩かないので、最小限のコインでの支払いを好みます(50ユーロ、100ユーロ札は受け取り拒否、場合によっては20ユーロ札も厳しいことも)。

そのため、ちょっと財布内の場所をとりますが、1ユーロや2ユーロコイン、あるいは5ユーロや10ユーロ札を多めに持っておくと、車内販売がはかどります。

ちなみに、多くの車内販売ではクレジットカード決済も推進されていますが、電波が悪いと支払えなかったり、スキミングのリスクがあるので、現金で購入するのが無難ですね。

チケットチェックは二回ある

ドイツのICEなどに乗ると、基本的にチケットのチェックは一回だけなのですが、ドイツから国境を越えて他のシェンゲン国に電車で移動するときは、ドイツ側で一回、他の国に入った時点でもう一回、チケットのチェックが行われます。

一度車掌にチケットを見せたからと言って気を抜かず、もう一回チケットチェックにやってくることに注意しておきましょう。

チケットの罰金にまつわる注意点に関しては以下の記事を参考にしてください。

スリにご用心

国際列車はいろいろな国籍の人が乗っており、特に夜間便ともなるとスリが横行し、注意が必要です。飛行機のように到着するまで密室ではなく、途中で何度も駅に止まったりするので、不用意に寝ようものなら財布と携帯を盗まれてとんずらされてしまい、国境を越えての犯罪となるとドイツの警察も追いづらくなります。

財布や携帯、パスポートなどの貴重品や、身に着けているバッグはもちろん、大型のスーツケースも割とちょいちょい盗まれることがあるので、目につくところに置いておいて、駅で止まるたびに注視しておくと良いでしょう。

列車の遅れに注意

僕の経験上、国境を超えるような列車は、国内のローカル列車やICEよりも高確率で遅延しやすいです。国境地点でのパスポートチェックや、列車の点検などの影響でしょうか、あまり時間通りに着く印象がなく、ひどいときは5時間、6時間と遅れることも!(そんなケースは稀ですが)

なので、列車や飛行機の乗り継ぎがある場合、あらかじめ「1時間は遅れる可能性がある」ということを念頭において行動したほうが良いでしょう。日本の新幹線のように、5分遅れたら大騒ぎになるような国は日本くらいで、ヨーロッパでは平気で1時間、2時間遅れてきます。

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