ドイツで就職後1年目、3年目、5年目の給与や仕事環境の変化

日本にいたときは年収300万円だった僕も、ドイツに来て5年以上が経過し、当時の年収を二倍以上上回るに至りました。ただし、ドイツに来て早々にこうした給与水準に到達したのではなく、そこに至るまで大体5年程度の道のりがありました。

勿論、給料だけでなく、仕事の環境やビザ等、僕を取り巻くあらゆる事柄がこの5年間で変化を遂げました。日本人がドイツに移住し、就職すると、最初の1年、3年、5年でどのような変化が生じるのか、時系列で紹介していければと思います。

  1年目 3年目 5年目
給料 400~500万円 500~600万円 600~700万円
仕事の契約 試用期間 1年契約 正規雇用
ビザ 毎年更新 毎年更新 永住ビザ
仕事の内容 担当区域少 担当区域増 担当区域増

業務増

語学 英語B2(下) 英語B2(上)

ドイツ語B1

英語C1

ドイツ語B2

給料

ドイツの給与システムの特徴ですが、年次というよりも実績やスキル、業務の幅に応じて給与が上がっていきます。そのため、最初の3年と3年目以降とでは貰える給料の額に明確な違いが出てくる仕様になっています。

僕の場合、最初の1年は試用期間ということもあり、ドイツでも比較的安い部類の給料での採用でしたが、正規雇用になると、日本での年収300万円を2倍近く上回る、年収50000€の壁を超えるに至りました(1€=130円換算で年収650万円)。

あまり新しい業務などを割り振られず、ただ毎日同じ業務をこなしているだけだと給与は上がりにくいですが、毎年積極的に新しい業務にチャレンジし続けることで、給与は右肩上がりになっていきます。

仕事の契約

仕事の契約に関して、これは個人的に年ごとの発展を体感できたポイントです。最初の一年は試用期間で、なにかあるとクビになってもおかしくない期間でした。そのためかなりビクビクしながら働いていた覚えがあります。

試用期間が終わると、今度は「1年ごとの契約」というフェーズに移りました。一応試用期間は終わったが、まだパフォーマンスに会社が納得できなかったら1年ごとにいつでもクビを切れるぜ、みたいな契約なのだと思います。

それが終わると、今度は無期限での契約書を得ることができました。これにより、晴れて会社側も簡単に僕をクビにできなくなったわけです。この無期限の契約を得てしまえば、滅多なことではクビにならないと同時に、会社にとっても必要な人材とみなされていることの証左ですので、モチベーションがあがります。

ビザ

ビザに関しても、毎年進歩を感じるものでした。最初のうちは毎年ビザを更新しに外人局に行かねばならず、面倒がかかりました。外人局とのアポイントには時間がかかり、かつ更新のたびに1万円くらいとられ、更新中はドイツから海外に出られない、と色々縛りがあるのです。

ドイツの決まりで、一応5年まともに仕事して税金をしっかり納めていると、日本人であれば永住ビザに切り替えることができるようで、僕はようやくその日を迎えることができました。これによって、晴れて毎年1万円払ってビザの更新をする責務から解放されたわけです。ここに至るまで5年かかりました(大学や大学院を出ていればこの期限が短縮されるようです)。

仕事の内容

日本でもそうなのでしょうが、基本的に仕事をする年数に応じて僕の業務内容も拡大されていきました。最初のころは、もしかしたらクビになる可能性もあったので中々責任の重い業務は任されませんでしたが、年次が進むにつれ会社側の信頼もついてきたのか、任される仕事も増えてきました。

これは、単に量が増えたというより、仕事の質も難しいものが回ってくるようになった印象です。例えば、最初のころは単に一営業としてスウェーデンやフランスに行って簡単な既存顧客の世話をする程度でしたが、3年目になるとより難しい地区の担当を任されるようになります。

さらに5年目になると、営業だけでなく、マーケティングやECビジネスの運営、貿易的なデータ処理など、一営業の責務を越えた仕事を任されるようになり、モチベーションが高まりました。

語学

ドイツに来たばかりの時は英語B2の下レベル、ドイツ語知識ゼロの状況でしたが、年次を経るにつれて次第にこれらのレベルが高まってくるのを実感しました。

英語に関しては、業務の柱として毎日のようにヨーロッパ各地の顧客と英語でのやり取りを続けていたら、語彙力、リスニング力、スピーキング力などが格段に向上しました。やはり、資格で取得できる英語力と、実際に使用して身に着く英語力とでは違いがあるのだなと思います。

ドイツ語に関しては、最初のころは仕事でこそ使わなかったものの、語学学校に通い続け、3年を過ぎたあたりから業務でもちびちびと使うようになってきました。5年が経過した現在では、仕事でもドイツ語を使えるまでに成長しました(参考:ドイツ語経験ゼロの僕がビジネスレベルに達するまで)

というわけで、語学にあまり自信がない状態でドイツに来たとしても、仕事を通じて次第に能力が向上していくものなので、あまり不安に覚える必要はないと思います。

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