
前回は世界一の民泊プロバイダー、Airbnbのドイツでの評判についてレポートを書きました。今回は、出張や旅行など、様々な場面で重宝されることの多いBooking.comについてドイツでの評判を見ていきたいと思います。
Booking.comの運営形態
Booking.com自体はホテルや民泊を運営するでもなく、あくまでプラットフォームを提供しているに過ぎません。世界43言語で2800万の宿泊施設と業務提携をしており、宿泊施設を紹介するプラットフォームとしては随一のボリュームです。
シンガポールに拠点を持ち、同じく宿泊施設紹介型のプラットフォームとして活躍するAgodaのリストが300万施設程度ですので、その規模の大きさが伺えます(ただし、アゴダはアジアの企業なので、アジアの宿泊施設となるとアゴダのほうが強いこともある)。
Booking.comの設立は1996年と古く、既に創業から四半世紀を数えます。Booking.comを通じて予約できるものは
- ホテル
- アパートメント
- ゲストハウス
- ヴィラ
- ホステル
- 別荘
等がメインのカテゴリで、日本国内で旅行する際はこれに旅館とカプセルホテルが追加されます。アパートメントなどはAirbnbと重複して紹介している施設も少なくありません。
支払いに関しては「オンライン決済」または「現地支払い」の二つの選択肢があります。ホテルのように、支払いカウンターが常備されているような宿泊施設であれば後払いでも問題ないのですが、アパートやゲストハウスのようにオーナーが個人の場合、受け入れ側にクレカの機械などの備えがないので、オンラインで先に決済しておくと便利です。
Booking.comは、ホテルはもちろん、最近では民泊(アパートメント)にも力を入れており、直前割引などを駆使するとAirbnbよりも安い価格で泊まれることも少なくありません。Airbnb同様、宿泊先の評価・口コミを確認し、8.5以上のレートがついているような宿泊施設であればそこまで外れない印象ですね。
Booking.comの評判
最低限の保証などはしてくれますが、基本的にBooking.comの基本スタンスは「当事者同士で解決してね」です。当日チェックインできなかったり、領収書が貰えなかったり、こういったトラブルは基本当事者で解決させます。
一応、申し訳程度にBooking.comのサポートデスクも頑張ってはくれますが「ホストに連絡がつきません」「つき次第連絡します」など、決定力に欠ける印象ですね。特に、オーナーが個人であったり、辺境のホステルなどの場合は注意が必要です。
Booking.comがトラブルの元となった犯罪事件などはサイト上には転がっていませんでしたが、Airbnb同様民泊にも手を出している以上、多かれ少なかれトラブルは発生していると思います。ただ、Booking.comの責任というよりは、基本的にホスト側の責任になるので、泊まる側はきちんと「安全な」宿泊施設を見極める必要があります。
Booking.comの恐ろしいところは、5つ星ホテルからおんぼろの民泊施設まで同サイトに掲載されているところで、見極めは宿泊者側に委ねられます。以下のような点には特に気を付けたほうが良いでしょう。
- 初めて行く土地は多少高くてもホテル
- 口コミは必ず参照する
- 郊外の宿は避ける
Booking.comにドイツで泊まってみる
僕は基本ドイツやヨーロッパで出張業務がある場合Booking.comを利用して宿を予約します。その際に、犯罪や窃盗などの犯罪にこそ巻き込まれたことはありませんが、トラブルに巻き込まれたことがいくつかあるので、以下簡単に注意点です。
チェックイン時間に要注意
ヨーロッパのホテルって、日本のように親切じゃなく、24時を過ぎるとチェックインを締め切ってしまうところが少なくありません。以前クロアチアに出張に行ったときは、飛行機が遅れに遅れ、目的地のホテルに着いたときはすでに24時過ぎ、ホテルのレセプションもやっておらず、深夜に見知らぬ街で泊まれる宿を探す羽目になりました。
Booking.comのせいではなく、ヨーロッパ全般に当てはめることができる宿泊施設文化ですね。
パスワードを忘れる
アパートメントなどを選択すると、基本的に受付やレセプションは無く、最近ではドアについているカギにパスワードを入力して中に入る仕組みです。ある時、ふとした拍子に中に携帯を忘れたまま外に出てしまいました。
一泊や二泊のための宿泊施設のドアのパスワードなど一々覚えているわけもなく、中に入れません(ホテルであれば受付があるのでこんなことは起きませんが)。恥を忍んで隣人にコンタクトを取り、家主に連絡をつけてもらって事なきをえましたが、これが深夜だったり真冬だったり言葉の通じない国だったりしたら詰んでいた可能性がありますね。
領収書をもらい忘れる
現地払いの場合、基本的に領収書は現地で支払った際にもらう手筈になります。仮に現地のホテルで領収書をもらい忘れていたら、Booking.comは領収書を作成してはくれず、自分で頑張ってホテル側と交渉し、領収書をゲットしなくてはいけません。
あくまでBooking.comは情報のプロバイダーで、領収書や宿泊トラブルに関しては当事者内で解決してくれ、というスタンスが伺えますね。旅慣れしてる人であれば問題ありませんが、不慣れな場合、旅行代理店などを活用すると良いでしょう。

新卒で出版会社に働くが、2年で体調を壊し退職。以後30歳近くまで職を転々とし、終いには地元のブラック卸売り企業で年収300万円残業100時間生活を送る。31歳の誕生日直前にドイツにワーホリで渡航。現在フランクフルト在住。
“ドイツでBooking.comは安全?評判と使用上の注意点” への1件のフィードバック